ヘンタイ魔術師は恋愛攻略法に悩む
「ふん、よく知っているな。
さすがだ。しかし、裏は知らないだろう。

表と裏の両方を持つことができるのは、王と直系の皇太子だけだからな」

ドラゴンは知恵者。狡猾な一面を持ち、自分が負ける勝負はしないものだ。

「そうだな。まず着手金として、金貨一袋と表の魔法陣、私の完全な写しを提供しよう。

こちらの希望通りに完全修復ができれば、裏も見せるぞ」

表の魔法陣ですら、まず見る事はできない。

ましてや裏なんて極秘の極秘レベルの代物だ。

国王が、お忍びでわざわざ密談に来るほどの「魔法陣を修復する仕事」とは、どのようなものなのか。

とにかくこれは命がけの仕事になるだろうし、
成功しても秘密を知った以上は、口封じで暗殺される可能性もある。

リアララが黙り込んでいるのを見て、王がしびれを切らしたのか、再度口を開いた。

「この条件では満足しないのか?」

リアララは一息入れて、咳払いをした。

「いえ、そうではなく、修復は相当に難易度が・・・高いのです。複雑な魔法陣ほど・・・」

緊張で、口が渇いてしかたがない。

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