ヘンタイ魔術師は恋愛攻略法に悩む
「破壊された場所がどこにあるのか、見つけるのも難しいのですが、

まず、本来の魔法陣がどのような図形をしているか、熟知していないとできない。

それは粉々になった陶器の壺を、もとのように復元するのと同じようなものです」

「それに、破壊魔法を使える魔術師は、相当に手練れでしょうから、
見つからないように念入りに隠すか、何かで上書きして痕跡を消していると思います」

リアララは説明をしながら、「NO」と言えない所まで話が進んでしまったと感じていた。

だがこの王族案件は「YES」でも「NO」でも結末は同じ・・・なのだろう。

王がそこまでして修復を熱望している人物とは・・・誰なのか。

リアララは率直に聞いた。

「修復をするのは・・・どなたの魔法陣ですか?」

「レスタ姫だ」

王はためらいなく即答した。

レスタ姫・・・国王の二人いる娘の姉のほうだ。

そういえば、結婚したという話は聞いたことがない。

妹のほうは、B国の王族と婚約が決まりそうだという噂を、最近耳にしたことがある。

「女性の魔法陣は男よりも繊細なつくりなので、修復の時に何かのきっかけで破壊してしまうことがあります。

うまくいっても、妊娠して・・・その子どもの魔法陣に影響が出る可能性も否定しきれないのです」

< 11 / 83 >

この作品をシェア

pagetop