ヘンタイ魔術師は恋愛攻略法に悩む
「これは命令ではない。仕事の依頼と考えてもらいたい。

報酬は王家の魔法陣の写しだ。
どうだ。私のものだが」

リアララの小指の先が、ぴくっと反応した。

国王の魔法陣は、最重要機密だ。

A国王家の魔法陣は、オヤジのコレクションにあったが一部分しか残っていない。

しかも傍系王族の魔法陣で、かなり古いものだ。

「王家の魔法陣は、上級魔術師でも見る者は限られている。君も知っているだろう」

王のその言葉は、エサでおびきよせ獲物を狙う狩人のようだ。

一方、獲物であるリアララは唇をかんで、逡巡していた。

「確かに。
古い魔導書に、王家の魔法陣は表と裏があると書いてあります。
表は公的なもので、裏が最高機密でしょう」

王は腕組みをして、ついでに足も組んだ。

「そうだ。王家の血を受けた者は、表の魔法陣を持つ」

リアララはごくりと唾を飲んだ。ということは、やはり裏があるのか!

「表は・・・赤のドラゴンですね。

親父のコレクションに古いのがありました。傍系王族のものですが」

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