ヘンタイ魔術師は恋愛攻略法に悩む

リアララ、依頼を断るが・・・

王女の魔法陣なら、相当に入り組んだ複雑な代物なのは間違いない。

リアララが婉曲に拒否をしても、国王はそれを無視して続けた。

「レスタは生まれてから、魔力発現が今までまったくない。ニンゲンと同じ状態なのだ。

このままだと、嫁に行くのは無理だろう」

王族の婚姻は魔力量の釣り合った者同士で、行われるのが普通だ。

「さりとて、この国で、筆頭魔女としての務めを魔力のないままやっていくのは難しい」

王宮は策略、陰謀がつきものだ。

現国王が目を光らせているうちはいいが、状況が変われば、誰が敵になって牙をむくかわからない。

王位を継ぐ者が誰になるのか・・・
簒奪も起きるだろう。

ニンゲンと同じ状態の王女がどうなるか、父である王は先の不幸を予測している。

「それにこの件について、私は君の父親、ブルーノが絡んでいると思っている」

リアララは突然、父親の名前が出て来たのでのけぞった。

「はぁ???オヤジですか?」

リアララの声が裏返った。

王は上着のポケットから煙草を取り出し、火をつけた。

しばらく沈黙・・・・

王は煙を吐くと、そのたなびく煙の先を見据えると口を開いた。

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