ヘンタイ魔術師は恋愛攻略法に悩む
リアララ、レスタ姫に会いに行く
「レスタ様なら、今の時間、王立教会の裏にいらっしゃると思いますよ」
王宮の門番が大通りの突き当り、教会の尖塔の先を指さした。
言われた通り、リアララが教会の裏手に回ってみると、
ニンゲンの年寄りや小さい子どもをつれた女たちが、塀の脇の石段に座っている。
スープを煮込むいい匂いがして、修道女たちがかごを抱えて並んでいるニンゲンたちに丸パンを配っていた。
教会の裏扉に老人や、まだ幼い子どもの手をひいた若い娘が並んでいる。
みんな、木の器とスプーンを持っていた。
見る限り、仕事にありつけない最下層のニンゲンたちが集まっている。
「ここで食事をもらえるのか?」
最後尾にいたやせこけた老人に、リアララが訪ねると
「ああ、タダで飯が食える。金のない俺らの命綱なのさ。この場所は。
あと、病気なら薬ももらえるんだよ。困りごとも相談できる」
「ここに並べば、レスタ様に会えるのか?」
老人は「お前も訳ありなのか」・・・という同類認定の視線になった。
「受付で困りごとを言って、その後、呼ばれるのを待つんだが、
なにしろ時間がかかる」
この老人は「レスタ様に会える」と言っているが、ニンゲンが王族とカジュアルに会えることはまずない。
王女付きの秘書官か女官が、代理をしているのだろう。
レスタ姫の姿くらいなら見られるかもしれない。
リアララは目くらましの魔法を使い、姿を消して、するりと教会内部に入り込んだ。
元は古い礼拝堂の控室だった場所のようだ。
窓は全開にされ、すえた臭いをごまかすためか、強めの香が焚かれている。
王宮の門番が大通りの突き当り、教会の尖塔の先を指さした。
言われた通り、リアララが教会の裏手に回ってみると、
ニンゲンの年寄りや小さい子どもをつれた女たちが、塀の脇の石段に座っている。
スープを煮込むいい匂いがして、修道女たちがかごを抱えて並んでいるニンゲンたちに丸パンを配っていた。
教会の裏扉に老人や、まだ幼い子どもの手をひいた若い娘が並んでいる。
みんな、木の器とスプーンを持っていた。
見る限り、仕事にありつけない最下層のニンゲンたちが集まっている。
「ここで食事をもらえるのか?」
最後尾にいたやせこけた老人に、リアララが訪ねると
「ああ、タダで飯が食える。金のない俺らの命綱なのさ。この場所は。
あと、病気なら薬ももらえるんだよ。困りごとも相談できる」
「ここに並べば、レスタ様に会えるのか?」
老人は「お前も訳ありなのか」・・・という同類認定の視線になった。
「受付で困りごとを言って、その後、呼ばれるのを待つんだが、
なにしろ時間がかかる」
この老人は「レスタ様に会える」と言っているが、ニンゲンが王族とカジュアルに会えることはまずない。
王女付きの秘書官か女官が、代理をしているのだろう。
レスタ姫の姿くらいなら見られるかもしれない。
リアララは目くらましの魔法を使い、姿を消して、するりと教会内部に入り込んだ。
元は古い礼拝堂の控室だった場所のようだ。
窓は全開にされ、すえた臭いをごまかすためか、強めの香が焚かれている。