ヘンタイ魔術師は恋愛攻略法に悩む
すぐにリアララは上着の内ポケットから、魔法陣鑑定に使う眼鏡を取り出した。

もしかすると、これは微細な魔力の欠片(かけら)ではなのか?

「そこに隠れているのは誰っ?!!出て来なさい」

レスタ姫の鋭い声が、ドームの天井に反響した。

リアララが観察に夢中になって身をのりだしたので、目くらましの魔法が消えてしまったらしい。

「申し訳ありません・・・
私は・・・」

しどろもどろのリアララに、
レスタ姫は怒りの視線を向けた。

さすが、紅のドラゴン王の娘。

まっすぐな視線には、相手に有無を言わせない王と同じ、強い威圧感が感じられる。

その瞬間、リアララの膝がカクンと折れて、ひざまずく格好になった。

自分の肩を強制的に押さえつけられている感覚、
動けなくする力がこの空間で働いている。

魔力干渉なのか、なぜか力が入らない。

リアララも、初めての感覚に混乱していた。

レスタ姫はリアララの前に腰に手をあてて、仁王立ちになった。

「あなたは、サラの旦那さんねっ!!わかっているのっ?
サラはお腹に赤ちゃんがいるの!!

これまで無理させて、働かせて、お金だけ巻き上げて!!」
< 19 / 83 >

この作品をシェア

pagetop