ヘンタイ魔術師は恋愛攻略法に悩む
オヤジは・・・「破壊」ではなく、「付け加えて」本来の魔法陣の動きを止めたはずだ。

それも、ヴァリエスタの魔法陣を使っている。

「相手の同意と協力がなければ、無理ですね」

リアララは「無理」を強調して、ダメ押しをした。

王は・・・
それでも一縷の可能性に、あきらめきれないように見えた。

「それでは、リアララ、私の客人として王宮に滞在をしてくれ。
時間をかけて、私がレスタを説得してみよう」

「報酬は?」

リアララがビジネスライクに質問をすると、

「金貨一袋と王家の表の魔法陣、赤いドラゴンの写しだ」

王は前回と同じ条件を出した。

「結果が出ない時は?無理な場合もありますが」

鑑定ができても、修復が成功するとは限らない。

女の魔法陣の扱いが難しいことは、前にも言ったはずだし、
王がレスタ姫を、説得できない場合も十分にありうる。

「ああ、その時は金貨2袋でどうか。
ただこの件は極秘だから、魔術師の縛りを契約条件に入れる」

「魔術師の縛り」

雇われた魔術師が情報漏えい、
または、同意なく契約外の魔術行使をした時に、
依頼主は「魔法陣の破壊」を行使できる。

罰則つきの契約だ。
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