ヘンタイ魔術師は恋愛攻略法に悩む
レスタ姫は意思が強い
国王の呼び出し・・・気が重い。
レスタ姫は王宮の国王執務室の前で、深呼吸をした。
予算の件で騎士団長と対立した件か、誰かがニンゲンに肩入れしすぎると、文句を言ったのだろう。
「陛下がお待ちです」
侍従が両開きの扉を開けてくれた。
正面に大きな執務机、その前に座する国王が手招きをした。
「レスタ、座りなさい。大事な話がある」
その声とともに重いカーテンが揺れると、
その陰から黒づくめの男が姿を現した。
「彼、リアララ・ヴァリエスタのことはもう知っているね」
リアララは窓枠にもたれかかるように立ち、軽くレスタに頭を下げた。
レスタ姫は・・・呼吸を落ち着けるように胸を押さえた。
父は魔法陣の事をまだあきらめてはいない、そう思うと胸が詰まる。
「はい。前に一度お会いしましたが・・・魔法陣鑑定についてはお断りいたしました」
「その件は聞いている。
彼の腕は確かだ。だから、今回は・・・」
レスタ姫の頬にぱっと朱が射した。