ヘンタイ魔術師は恋愛攻略法に悩む
「私はもう大人です。
魔法陣も魔力も、成人以降は出現しないと、皆言っているではないですか!」

リアララは腕組みをして、
湧き上がる感情を抑えている、レスタ姫を眺めていた。

鑑定眼鏡をかけているので、
彼女の指先から、金とヴァリエスタ・ブルーの極小の破片が、
輝きを持ちながら、散っては消えていくのが見える。

魔力放出は・・・彼女の感情の動きと連動しているのか?

「お父様、このまま魔力がなくても、私のやるべき事はここにたくさんあります!!」

国王は娘の反抗的な態度に困ったように、額にしわを寄せた。

「ニンゲンの保護か・・・」

「いえ、保護ではなくニンゲンとともに、この国の経済力をつけていくことです」

姫君は強い・・・

リアララは二人のやりとりを見て感じた。

「お前の考えは、わからないでもない。
しかし、魔術師たちを説得、納得させられるかどうか、まずそこが問題だ。
おまえの味方につく魔術師は、
どのくらいいるのか?

交易には魔術師たちの既得権益も、絡んでいるしな。
そうなると、黙っちゃいないだろう」

国王は政治と利権の癒着について、よく理解をしている。
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