ヘンタイ魔術師は恋愛攻略法に悩む

リアララ、レスタ姫に攻撃をされる


王宮の図書館は、貴重な魔導書や専門書が多く、
特別許可が下りないと入館できない。

リアララは、1日のほとんどをここで、魔導書や古代の魔法陣の解読に費やしていた。

季節は変わり、日暮れが早くなっている。

「もう、こんな時間か」

リアララは机一面に広げた巻物を、片づけながら窓の外を見た。

城下町は、ちらほらと明かりがともり始めて、
露天商たちが、急いで店じまいをはじめていた。

契約終了は今日なのに、国王もレスタ姫も動きがない。

このまま金貨二袋をもらって、
帰る事になるのか。

頭をボリボリかきながら、
リアララは、写した魔導書の束を抱えて図書館からでた。

ブルーノの力のほうが、強かった

「契約の縛り」の時に国王が言っていたが、嘘ではないだろう。

四大元素の、すべてを操ることができる魔術師は、知る限り天才肌のオヤジだけだ。

ヴァリエスタ家の当主の魔法陣は、中央に風を象徴とする大鷲(おおわし)。

周囲に地と水、火の龍が三角形に組み込まれ、「地・風・水・火」の四大元素をすべて網羅している。

それらは深い青・ヴァリエスタ・ブルーと金で彩られている。

リアララの魔法陣は、四大元素を象徴する龍の一部が、どこか欠けているので、魔力量がでない。

交雑種ゆえか、正式な嫡男ならば完全体を受け継いだはずだ。

レスタ姫は・・・

オヤジの魔法陣を何らかの形で持っているはずだが、
自分から調べる権限はない。
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