ヘンタイ魔術師は恋愛攻略法に悩む
「まだ、陛下との契約期間残っているので、できないですね。

それにこの仕事を引き受けたのは、姫君、あなたの魔法陣に興味があるから・・・」

「私には魔法陣はないと言ったはずです!!」

間髪入れず、レスタ姫の声が室内に響いた。

「いや、あなたは魔法陣を持っている。
俺は鑑定と修復が専門の魔術師ですから、微細な魔力が出ていれば判別がつく」

リアララの自信のある物言いに、
レスタ姫はしばらく考え込んでいたが

「わかりました。
あなたからは辞退する意志がないということですね」

「ええ、ここで王家の魔法陣と関われるのは、絶好の機会なので」

リアララは片手を胸に当てて、
自分の気持ちに、ゆるぎないことをアピールした。

姫のまっすぐな視線が、矢のように突き刺さる。

クールビューティーは怒ると迫力があるな・・・
リアララは、他人事のように見とれていた。


「それでは・・・強制執行しかないですね」

レスタ姫はくいっと、あごを上げると、ローブのひもを素早くほどき床に投げ捨てた。

その右手に、小さな短剣が握られている。

「なっ、何を!!」

とっさにリアララが飛びのき、
距離を取った。

「ここは俺の結界の中だからな!!
魔力攻撃はできないぞ!」

「そんな事はしないわ。
私には魔力がないものっ!!」

レスタが言い放つと、短剣の先を自分の胸にあて、引き下ろした。

ビリビリビリ
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