ヘンタイ魔術師は恋愛攻略法に悩む
白いレースで縁取られた白のくさび形が大きくなり、呼吸で大きく動いた。

「さぁ、これで、あなたは首飾りの強盗よ。
ついでに暴行傷害!!」

そう言い放つと、短剣を投げ捨て扉に走り寄った。

ガチャ・・ガチャ

ドアノブを何度もまわしても、
空回りで開かない!・・・

レスタ姫が焦って振り向くと、
面白そうに眺めていたリアララが肩をすくめた。

「俺は、いつも部屋には結界を張っておくんだ。
俺が解かない限りここから出られないぞ」

まったく、ドラゴンの娘の方も策士だったな。

リアララは床にある短剣を拾い、
刃先に指を当て切れ味を見た。

「大声を出しても無駄だ。
結界の中では、音ももれないようになっている」

目の前のレスタは、両手で胸を隠すようにして壁に張り付いている。

唇をかみしめ、呼吸をするたびに胸が大きく波打っていた。

「なるほど、買収作戦がうまくいかなければ、プランBに変更か。

俺が襲ったように芝居をして・・
犯罪者にして、追放させる計画とはね。
お姫様も、大胆な事をしてくれる」

レスタ姫は顔をそむけ、体を固くした。
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