ヘンタイ魔術師は恋愛攻略法に悩む
リアララは、しばらく考え込んでいたが

「推測だが・・・姫をヴァリエスタ家の跡継ぎにしたかったのではないか?
もしくは嫁として、迎え入れるとか。

ヴァリエスタ家は昔、
王族と肩を並べるほどの名門貴族だったから、婚姻に釣り合う相手は限られる。

でも、次の年に俺が生まれて・・・

俺はニンゲンとの交雑種だから、
正式に家を継ぐことはできないけど、ヴァリエスタの血は途絶えることはなくなった」

リアララは自嘲気味に続けた。

「オヤジとしても、この件はなんとかしようと思っていたのだろうが、消息不明になった今、
手の打ちようがない」

「そうなのね・・・」

レスタ姫も納得するようにうなずいた。

チーン・チーン・チーン・・・

チェストの置時計が12時を告げた。

これで国王との契約期間は終了し、「魔術師の縛り」も解除されたはずだ。

「私はどうすれば・・・」

レスタ姫が、不安げな視線をリアララに向けた。

「そうだな。まだ他にも斑紋があるかどうか、確認したい。
複数あると、作用機序がより複雑になるから」

リアララは、腕組みをした。

「めったにないが、舌に出ることもある」

「舌?」

レスタ姫は、不審げに首をひねった。

「ああ、わかりにくいから、斑紋を隠すにはいい場所なんだ。
一応、確認する必要があるな・・・」

「上をむいて。目をつぶって。
舌をだしてごらん」

レスタ姫は素直に指示に従った。

主導権は自分のある・・・・
なかなか快感だ。
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