ヘンタイ魔術師は恋愛攻略法に悩む
すると、姫のほうが年配の女に目配せをしたので、
年配の女はすぐに出て行った。

「姫君、体調はいかがですか?
回復薬は、ちゃんと飲めましたか?」

レスタ姫は緊張しているのか、ひきつった笑顔で答えた。

「おかげさまで。
まず、私の魔法陣がどうなっているのか、あの時のことも含め、説明をしていただきたいの」

リアララはうなずいて、レスタ姫に座るように促した。

「ここに来られたということは・・・仕事の依頼ということですか。
魔法陣鑑定でよいですか?

陛下との契約は満期終了になりましたので、姫とは新規契約になりますが」

「それで・・・報酬は何を?」

リアララは片膝をつき、レスタ姫の手を取った。

「そもそもはこの件は、オヤジがしでかしたことが発端です。

息子の俺が後始末をする。
それだけの話で、金はいらないです」

レスタ姫は、あの時の魔力発現を思い出すように、視線を天井に向けた。

「あれは青い大鷲(おおわし)でヴァリエスタの魔法陣なのね。
次に王家の赤いドラゴン・・・」

「最後は黒のドラゴンも・・・
見たこともないほど巨大だった」

リアララが付け加えると、レスタ姫は困ったように頭をたれた。
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