ヘンタイ魔術師は恋愛攻略法に悩む
「父はこのことをまだ知らないし・・・」

「陛下に言っても、また極秘で俺に
話がまわってくると思いますよ」

リアララは苦笑して、ティーポットからお茶を注いだ。

「カモミールのハーブティーです。
どうぞ」

「ありがとうございます・・・」

レスタ姫は周囲を見回して

「ここも結界が張ってあるの?」

「もちろん。ここは極秘の相談事も多いので」

リアララは答えながら、
「姫の事が一番ヤバイ」と、心で突っ込んでいた。

姫はお茶を一口飲むと

「魔力発現があったということは、今後、私が魔法陣を動かして魔力を使うことができるのかしら?」

リアララはうなずいた。

「ええ、こどもの場合は、主に母親が動かし方を教えます。
親子の魔法陣は似ているし、こどものは小さいので、扱いが容易です。

しかし母親が病気とか、魔法陣が複雑で難しい場合は、俺のような鑑定魔術師がサポートに入る事もあります」

リアララはそこで区切って、レスタ姫の顔を見た。

「姫の場合は、非常に特異な事例なので・・・俺が関わらないと無理ですね」

リアララはドヤ顔だが、かたや、姫君は明らかに唇をかんで困っている。

強気な姫君が頼れるのは、俺だけだぞ・・・
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