ヘンタイ魔術師は恋愛攻略法に悩む
「魔力発現は子どもの時は、比較的体の負担は軽いのですが、姫は大人でしかも・・・」

リアララがもったいぶって、最後を濁すと、

「それは、私に王家の魔法陣だけでなく、ヴァリエスタの魔法陣もあるから?」

「それもありますが、姫の感情が高ぶると、暴発する危険性があると思います」

そこでレスタ姫は、キスの件を思い出したのか、ハンカチで口を押えた。

「このまま放っておくと、危険なんですよ!!」

リアララは断言すると、鑑定眼鏡をかけた。

「あなたが本気を出せば、黒のドラゴンは、山ひとつを吹っ飛ばすほどの力を持っているし、
ヴァリエスタの鷲は、大竜巻を起こす!!」

その言葉に、レスタ姫は息を飲んだ。

A国の最終兵器は、王の裏の魔法陣「黒のドラゴンの力」。

この国の防衛問題が関わってくると、ようやく理解したようだ。

所有者が「危険物取り扱い責任者」の意識をもってもらわないと、
この国の行く末が危うい。

「ここなら、姫の魔法陣が投影できるから、
具体的にどうなっているのか、御自分の目でよく見て欲しいのです。

まず手を出してください」
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