ヘンタイ魔術師は恋愛攻略法に悩む

リアララ、レスタ姫の魔法陣の鑑定をする

リアララはいくつかの薬瓶の液体を混ぜ合わせ、
姫の手のひらに垂らしてすりこんだ。

「それはなに?」

液体はすぐに蒸発した。

「これは魔力の伝導率を高くして、
視覚化させる薬です。
水で洗い流せるし、無害ですよ」

そう言うと、
リアララは、レスタ姫の両手を祈るように重ね合わせ、自分の手を添えた。

「顕現!!開かれよ!シムサラビン!」

その言葉が終わった時、
姫君の指先にほわっと、金と銀の光がまとわりついてきた。

光は密度を増しながら、渦を巻いて上昇して天井に突き当ると、四方に広がった。

次に赤い光が続いて、魔法陣を描いていく。

金の糸で編み込まれた、繊細な飾りを持つ円形の図形、
その中に、紅いドラゴンの姿が浮き出てきた。

「王家の者が受け継ぐ、紅のドラゴンの魔法陣」

リアララの解説に、レスタ姫は天井を仰ぎ見ていた。

次に緑と青、金の光が天井に届くと、その光はねじれながら、花火のように4方向に散った。

「ヴァリエスタの魔法陣!
4分割されている!!」

リアララが、思わず声を上げた。

風を支配する大鷲と、水、火・土の龍が、4つの魔法陣に分かれて、

王家の赤いドラゴンの魔法陣に接するように、角々に配置されている。
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