ヘンタイ魔術師は恋愛攻略法に悩む
それが途切れると、次は銀の光が浮き上がって来た。

4つの魔法陣の上に、銀の糸が大きな円形魔法陣を編み上げ、
糸がより集まったところに、影をつくっていく。

その影は、翼を広げた大きな黒のドラゴンの形をつくった。

「これが王家の・・・裏の魔法陣!!」

魔法陣が3層になって、巨大な魔法陣として構成されているのだ。

下面が赤いドラゴン、上面は黒のドラゴン。

その間に、ヴァリエスタの魔法陣が4つ配置されている。

それらは重なり合い、3D画像のように傾きながら、ゆっくりと回転した。

「すごい・・これはもう・・・
こんなの見たことがない」

リアララは、天井に投影された魔法陣から目を離す事ができなかった。

ああ、そうか。

俺の魔力がトリガーになり、ヴァリエスタの魔法陣が刺激され・・・
連動して、みんなが動いたのか。

レスタ姫に初めてあった時、
思わずひざまずいてしまったのも、

このヴァリエスタ当主の魔法陣に
俺の体が反応したからだ。

リアララが指を数回鳴らすと、
上空の魔法陣は、水銀がしたたるように溶けだし、
レスタ姫の手の平に吸い込まれていく。

「寒い・・・」
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