ヘンタイ魔術師は恋愛攻略法に悩む
「どうぞ、俺が作ったんです。
食べてみてください」

「あなたがお料理するの?」

レスタ姫が目を丸くして、尊敬の念が入った目で見た。

「母親が料理人も兼ねていたので、
手伝いながら覚えました。
ここでも暇な時は、俺がつくりますよ」

リアララは、棚から皿とカトラリーを取り出して、机に並べた。

「お母さまは・・・?」

「もう、亡くなりましたけどね。
おふくろの味を、俺が受け継ぎました」

「お料理の上手なお母さまだったのね。とても美味しい」

一口食べて、レスタ姫が少し微笑んだのを見て、
リアララの気持ちもなごんだ。

困難な未来だが・・・
この姫君の笑顔を、失うことはしたくない、そう思った。
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