ヘンタイ魔術師は恋愛攻略法に悩む

リアララ、レスタ姫の魔法陣を固定する

リアララの個人工房は、ギルド宿屋から、少し離れた場所にあった。

うっそうとした森に囲まれて、隠れ家になっているヴァリエスタの別荘。

子どもの頃、時折来る父親から、
魔術の手ほどきを受けた場所でもある。

今は資料の保管庫と物置で、雑然として、蜘蛛の巣がところどころ張っている。

居間と台所、寝室はなんとか頑張って掃除をしてきたので、使える程度になっていた。

リアララは、机の上に置いてあった古いかばんを開けた。

中には鏡、方位磁石、ダガーナイフ、水晶の欠片、小さなガラス瓶が数個入っている。

粉の入ったガラス瓶を取り出した時、
門にしかけてある、結界侵入のアラートベルが鳴った。

ジリジリジリ・・・・
約束の時間、ぴったりだ。

外を確認すると、
レスタ姫が、つたのからまるアイアンワークの門扉のところで、ウロウロしている。

お付きの者はいないようだ。

リアララは玄関を開けて、手招きをした。
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