ヘンタイ魔術師は恋愛攻略法に悩む
レスタ姫、覚悟を決める
あれから何日かすぎたが、レスタ姫の動きがない。
小鳥を飛ばして、王宮の様子を探ったが、姫は自室にこもっているようだ。
国王の呼び出しもないから、まだ秘密にしているのだろう。
こちらから出張って、すぐに会える相手ではないし・・・
悶々としながら、リアララは大きな鍋をかきまわしていた。
「おう、リアララ、今日の夕飯はなんだ?」
ザイラス工房の職人たちが、ぞくぞくと食堂にやってくる。
「クリームシチュー・・・」
ふと、窓の外を見ると裏門のところで、濃紺のフードを深く被った女が
籐のバスケットを持って、こちらを伺っている。
「!!!」
リアララはレードルを放り投げて、
門に向かって走って行った。
「姫!!お一人ですか?」
レスタ姫はうつむいたまま、地面を足先で蹴ると、一言だけ言った。
「Cプラン・・・」
「場所は・・・どこで?」
リアララの声が、緊張でうわずってしまった。
「ベルモナートの山荘・・・馬車を準備してあるので」
そう言って、
レスタ姫は少し先に止まっている、流しの馬車に視線をやった。
馬車は、2台止まっている。
別行動するのか。