悪女の私がヒロインみたいに溺愛されてます!
…この人たち馬鹿なんじゃないだろうか?

全部会話を聞いていた私にとって、この人たちが嘘をついていることなんて明白なのに。


「…そう。だからって、私の真似をして人気のない場所に彼女を呼び出したの?威勢があっていいね。そういう人たちってすごくいじめがいがありそう。ちょうど最近暇つぶししてたし、あなたたちに楽しませてもらおうかな?」

「な、そんなつもりじゃ…」


焦った様子の三人だったが、ふと私の後ろに視線をやるとニヤリと不敵に微笑んだ。


「宝槻さん!」


驚いたように私の後ろを見て叫んだ光莉に、不思議に思って振り向くと同時に頭を固い何かで殴られてその場に倒れる。


「遅くなって悪いなー。で、こいつはなんだ?」

「もう、遅いよー。そいつも一緒に縛って運んで。ついでに痛い目見せてやるから」

「ちょっと、何し…離してよ!」


ぼんやりとする視界の中で、ガラの悪い男が後ろから現れ、光莉に手を伸ばしているのが見えた。

だけどそこで意識が途切れ、私は気を失った。



そして目が覚めるとここに光莉と一緒に閉じ込められていた。
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