悪女の私がヒロインみたいに溺愛されてます!
真っ直ぐにこちらを見つめながらきっぱりと言い切られ、わけがわからなくて混乱する。


「…え?」

「倒れる前にも聞いたけど、なんでおまえは俺のことまで助けてくれたんだ?」

「それは…」


ハッとそこでやっと気づく。

もしかして宙は、まだ私が宙のことを好きだと勘違いしているのでは…?

あの女子たちと繋がっていて、さも私が二人を助けたと思わせて宙の心を手に入れようと芝居をしていると思われているんだ。

だから私は悪女なんかじゃなくて、極悪人だとでも言われる…?


「違うからね!本当に私はもうあんたのことなんっとも思ってないから!これっぽっちも好きだなんて思ってないからね!自惚れないでよ!?」

「…は?何を言ってるんだ?」

「へ?」


あれ、違ったの?

それじゃあなんで、こんなに必要最低限以上私に関わってこようとしてくるのだろう?


「あんたを助けた理由は…何もないよ。夏目さんを助けた理由も同じ。ただ目の前で、人が傷つくのを見るのが嫌だっただけ」
< 36 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop