幼馴染の恋の行方
「今年の私はツイてる! 進藤くんと同じクラスになれるなんて!」

 帰路も一緒になった友花里は、満面の笑みを浮かべて言った。友花里は希望通り、勇人と同じクラスになれたのだ。

「おめでとう。——で、告白とか考えてるの? 早くしないと他の女子に取られちゃうよ」

「えー、まだまだ無理だよ……今は一緒のクラスになったってだけで、幸せなんだから。——でさ、私の席から進藤くんが見えるの。斜め後ろから見る進藤くんも、イケメンなんだよねぇ……」

 思ってもいないのに、友花里に告白をすすめてしまう。そんな気、さらさらないくせに。

 実は、友花里も男子から人気がある。俗に言う、癒やし系女子ってやつだ。

 本当に友花里たちが付き合う事になったら、僕はちゃんと言えるのだろうか。

 その時も「おめでとう」って。
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