僕の愛しい泥棒娘
ユミアは家に入ってまだ、手仕事をしていたサ
リーヌに

「ねえ、サリーヌ、レッドが結婚しようってい
うんだけど、どうしたらいいか分からない」

ちょっとのけぞったサリーヌは

「やっと?」
と言って笑っている。

「やっとって何よ」

「だって付き合ってもう2年以上じゃない。
何時結婚するって言うか待ってたんだから」

「何言ってるの。結婚なんかできる訳ない。
相手は公爵家の嫡男で宰相の筆頭補佐管な
んだよ。私は平民で孤児院育ちで元は泥棒
なんだから」

「元ね、今は特許も沢山持ってるし、お店も
繁盛させていてもう一店舗出そうかという程
商才のある大人の女性じゃないの。アウスレ
ッド様が結婚したいと思ってくれるのは当然
だよ。ユミアは私たちの希望の星何だから、
一番大きく輝いていなくっちゃ」

「レッドはどこか伯爵家か男爵家の養女にな
って公爵家に嫁いでくればいいって言うの。
でも貴族にはなりたくないし、公爵夫人なん
て私には務まらないよ」

「そうかなあ、ユミアなら公爵夫人でも王妃
様でもやれると思うけどね、うふふ」

「もう、サリーヌは無責任なんだから、でも
私が貴族になるのが嫌ならレッドが平民にな
るっていうのよ。公爵家の嫡男も宰相の筆頭
補佐官もやめて、そしてアズナール商会に入
ってこの国一番の商会にするんだって、馬鹿
なこと言ってるの、どうしよう。そんな事に
なったら公爵家の皆様に申し訳がたたない」
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