吹奏楽に恋した私の３年間

エピローグー思いを胸に閉まってー

文化祭のステージが終わり、合唱コンクールの結果発表も静かに幕を閉じた。

体育館のざわめきが少しずつ消えていく中、私は楽器をしまいながら、そっと深呼吸した。

「これで、本当に終わりだ」

そう思った瞬間、胸の奥がじんわりと熱くなった。

先生が終わった後、感想をくれた。

「よくできていたと思います。これを生かして、三年生は、受験も頑張ってください」

でも、涙はもう出なかった。

あの日、引退式で流したから。

ホルンとの出会いは、偶然だった。

「なんでホルンなんかに」 そう思っていたあの日から、私は変わった。

今では、大好きで、大切な相棒。

音楽の扉を開いてくれた、運命の楽器。

桜田先生の指揮、小澤先生の新しい幕、仲間との笑い、後輩との言葉。

全部が、私の音楽人生の一部になった。

家に帰って、色紙をもう一度開いた。

そこには、変わらない言葉が並んでいた。 「ありがとう」 「先輩の音、忘れません」 「また会いたいです」

私は静かに微笑んだ。


そして、いつかまた—— 新しいステージで、あの音を奏でられる日が来るかもしれない。

また新しいメンバーに出会って、私の好きなホルンが奏でられる日を願って、受験の勉強にへと熱は変わった。