元文化部と元運動部の深夜ウォーキング
笠木くんとたまに話したことはあったが、二人ともお酒の後ということもあっていつもより気軽に話せている気がした。

無人駅のホームは電気も少なくて、割と暗め。

本当だったら怖くて仕方ないはずなのに、笠木くんと話していると怖さは微塵(みじん)も感じなかった。

「じゃあ、行きますか。長谷川さん」

無駄に部活のコーチのような言葉を吐いた笠木くんが歩き始めたので、私は覚悟を決めて追いかけた。

不思議な深夜のウォーキングが起こるなんて、今日の昼間は予想もしていなかったのに。
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