無敵なお嬢様はだまっていられない! 〜問題児な執事4人を、私がまとめてプロデュース!?〜
第5章
合同演習から数日後。
学園の中央広場には、今月の総合成績が張り出されていた。
私はいつものように、掲示板の一番上にあるはずの自分の名前を確認しに行った。
頭の中には、もう答えが出ている。
筆記試験、実技、ふだんの態度。全部合わせれば、今月も私が1位。
――そうなるはずだった。
なのに。
「……え?」
掲示板を見上げた瞬間、頭の中が真っ白になった。
一番上にあったのは、私の名前じゃない。
『1位 鳳凰寺 椿』
『2位 雪城 すず』
「……そんな。……なにかの、バグよ」
喉の奥がヒリつく。
もう一度見る。何度見る。
でも――結果は変わらない。
私の名前の横にあるのは、「1」じゃない。
見たことのない「2」という数字だった。
「あら、雪城さん。そんなにじっと見つめて、どうなさいましたの?」
後ろから、楽しそうな声。
振り返ると、扇子を優雅に揺らした椿さんが、取り巻きを連れて立っていた。
「……計算違い、ですわね?
最近の雪城さん、あの『問題児』たちの育成に夢中で、ご自分のことが後回しになっていたのでは?」
その言葉に、まわりがざわつく。
「えっ、雪城さんが2位……?」
「やっぱり、あの執事たちのせいじゃない?」
「雪城家のお嬢様も、ついに落ちたね」
ひそひそ声が、突き刺さる。
胸がドクドクとうるさい。
タブレットを持つ手が、止まらないくらい震える。
「……あんなトラブル・カルテットたちをいくら磨いても、ご自分が崩れては意味がありませんわ。
雪城家の『完璧』も、案外もろいものですわね」
その一言が、胸の奥に深く刺さった。
言い返したい。
でも――言葉が出てこない。
……私が、エラー?
何が起きたの? どこで間違えたの……?
視界が、ぐらりと揺れる。
私の価値は、「1位」であること。
ずっと、そう信じてきたのに。
それが――なくなった。
ふいに、父の言葉が頭に浮かぶ。
『雪城の名に泥を塗るな』
冷たい声が、何度も頭の中で響く。
――ダメ。
立っていられない。
足元がぐらりと揺れて、私はその場で、倒れそうになるのを必死でこらえた。
学園の中央広場には、今月の総合成績が張り出されていた。
私はいつものように、掲示板の一番上にあるはずの自分の名前を確認しに行った。
頭の中には、もう答えが出ている。
筆記試験、実技、ふだんの態度。全部合わせれば、今月も私が1位。
――そうなるはずだった。
なのに。
「……え?」
掲示板を見上げた瞬間、頭の中が真っ白になった。
一番上にあったのは、私の名前じゃない。
『1位 鳳凰寺 椿』
『2位 雪城 すず』
「……そんな。……なにかの、バグよ」
喉の奥がヒリつく。
もう一度見る。何度見る。
でも――結果は変わらない。
私の名前の横にあるのは、「1」じゃない。
見たことのない「2」という数字だった。
「あら、雪城さん。そんなにじっと見つめて、どうなさいましたの?」
後ろから、楽しそうな声。
振り返ると、扇子を優雅に揺らした椿さんが、取り巻きを連れて立っていた。
「……計算違い、ですわね?
最近の雪城さん、あの『問題児』たちの育成に夢中で、ご自分のことが後回しになっていたのでは?」
その言葉に、まわりがざわつく。
「えっ、雪城さんが2位……?」
「やっぱり、あの執事たちのせいじゃない?」
「雪城家のお嬢様も、ついに落ちたね」
ひそひそ声が、突き刺さる。
胸がドクドクとうるさい。
タブレットを持つ手が、止まらないくらい震える。
「……あんなトラブル・カルテットたちをいくら磨いても、ご自分が崩れては意味がありませんわ。
雪城家の『完璧』も、案外もろいものですわね」
その一言が、胸の奥に深く刺さった。
言い返したい。
でも――言葉が出てこない。
……私が、エラー?
何が起きたの? どこで間違えたの……?
視界が、ぐらりと揺れる。
私の価値は、「1位」であること。
ずっと、そう信じてきたのに。
それが――なくなった。
ふいに、父の言葉が頭に浮かぶ。
『雪城の名に泥を塗るな』
冷たい声が、何度も頭の中で響く。
――ダメ。
立っていられない。
足元がぐらりと揺れて、私はその場で、倒れそうになるのを必死でこらえた。