無敵なお嬢様はだまっていられない! 〜問題児な執事4人を、私がまとめてプロデュース!?〜
第7章
ついに、「ロイヤル・ガーデン・パーティー」当日。
いつものにぎやかさが嘘みたいに、控え室はしんと静まり返っていた。
私は鏡の中の自分を、まるで知らない誰かみたいに見つめていた。
お母様が用意した、真っ白なドレス。
シルクとレースがたっぷり使われていて、光を受けるたびにやわらかくきらめく。
髪はレオくんがきれいにまとめてくれていて、ふわっと軽い。
そこには、夜一くんが用意してくれた銀の髪飾りが光っていた。まるで月の光みたいに、静かで上品に。
心拍数、上がりすぎ。……落ち着きなさい、すず。
何度も深呼吸する。
でも、うまく息が入ってこない。
ドレスのせい?
それとも――これから始まる大勝負のせい?
指先が、少し震えていた。
「……お嬢。大丈夫か?」
後ろから声がして振り向くと、嵐くんが立っていた。
いつものラフな雰囲気はどこにもない。
特注の燕尾服に身を包んだ姿は、まるで別人みたいだった。
がっしりした体にぴったり合ったその服は、“強さ”じゃなくて“守ってくれる安心感”を感じさせる。
「……嵐くん。少し苦しそうね。その服」
「……まあな。でもさ」
嵐くんは、にっと笑った。
「お嬢の隣に立つなら、このくらいじゃないとカッコつかねぇだろ」
その言葉に、少しだけ肩の力が抜けた。
その時、すっと横に気配が現れる。
「……すず様」
夜一くんだった。
黒い燕尾服は、まるで影そのものみたい。
でもよく見ると、袖や襟に銀の刺繍が入っていて、さりげなくきらめいている。
「……今日のあなた、とても綺麗です。……だから、僕も影として、ちゃんと支えます」
静かにそう言って、ドレスの裾を整えてくれる。
その動きはとても丁寧で、やさしかった。
「……ふふ。そんなに褒められると、緊張で溶けちゃいそうだわ」
「それは困るなぁ」
軽い声と一緒に現れたのは、レオくん。
彼の燕尾服はボルドー色で、他の三人よりも華やか。
胸元の飾りやレースが、すごく目を引く。
「お嬢様。最高のドレスに、最高のヘアメイク。
それに僕たち四人がいれば――」
にっこり笑って、ウインク。
「もう舞台は完璧だよね?」
「……そうね。悪くないわ」
思わず笑ってしまう。
みんなが、ちゃんとここにいる。
それだけで、少し怖さが消えていく。
「……見た目だけなら、合格だな」
少し離れたところから声がした。
朔だった。
椅子に座っていたけど、ゆっくり立ち上がる。
黒の燕尾服はシンプルで無駄がなくて、すごく落ち着いて見える。
前みたいな張りつめた感じはない。
ちゃんと“今の朔”の空気になっていた。
「……朔くん。インカムは?」
「問題ない。ちゃんと聞こえてる」
軽く答えてから、少しだけこちらを見る。
「……それと、深呼吸くらいちゃんとしろ。
手、震えてるぞ」
「……!」
「紅茶、こぼされたら困るからな」
ぶっきらぼうだけど、やさしい声だった。
その一言で、不思議と心が落ち着いていく。
朔はマイクに軽く触れて、短く指示を出した。
「……嵐、前方注意。
夜一、いつでも隠れられる位置に。
レオ、空気は任せた」
そして、少しだけ間をおいて。
「……お嬢は、俺が見る。
だから、気にせず行け」
その声は静かで、でもしっかりしていた。
胸のドキドキが、すっと落ち着いていく。
「……ええ。そうね」
私はみんなを見渡して、微笑んだ。
「行くわよ。
世界で一番――めちゃくちゃで、最高に完璧なパーティーを見せてあげる!」
いつものにぎやかさが嘘みたいに、控え室はしんと静まり返っていた。
私は鏡の中の自分を、まるで知らない誰かみたいに見つめていた。
お母様が用意した、真っ白なドレス。
シルクとレースがたっぷり使われていて、光を受けるたびにやわらかくきらめく。
髪はレオくんがきれいにまとめてくれていて、ふわっと軽い。
そこには、夜一くんが用意してくれた銀の髪飾りが光っていた。まるで月の光みたいに、静かで上品に。
心拍数、上がりすぎ。……落ち着きなさい、すず。
何度も深呼吸する。
でも、うまく息が入ってこない。
ドレスのせい?
それとも――これから始まる大勝負のせい?
指先が、少し震えていた。
「……お嬢。大丈夫か?」
後ろから声がして振り向くと、嵐くんが立っていた。
いつものラフな雰囲気はどこにもない。
特注の燕尾服に身を包んだ姿は、まるで別人みたいだった。
がっしりした体にぴったり合ったその服は、“強さ”じゃなくて“守ってくれる安心感”を感じさせる。
「……嵐くん。少し苦しそうね。その服」
「……まあな。でもさ」
嵐くんは、にっと笑った。
「お嬢の隣に立つなら、このくらいじゃないとカッコつかねぇだろ」
その言葉に、少しだけ肩の力が抜けた。
その時、すっと横に気配が現れる。
「……すず様」
夜一くんだった。
黒い燕尾服は、まるで影そのものみたい。
でもよく見ると、袖や襟に銀の刺繍が入っていて、さりげなくきらめいている。
「……今日のあなた、とても綺麗です。……だから、僕も影として、ちゃんと支えます」
静かにそう言って、ドレスの裾を整えてくれる。
その動きはとても丁寧で、やさしかった。
「……ふふ。そんなに褒められると、緊張で溶けちゃいそうだわ」
「それは困るなぁ」
軽い声と一緒に現れたのは、レオくん。
彼の燕尾服はボルドー色で、他の三人よりも華やか。
胸元の飾りやレースが、すごく目を引く。
「お嬢様。最高のドレスに、最高のヘアメイク。
それに僕たち四人がいれば――」
にっこり笑って、ウインク。
「もう舞台は完璧だよね?」
「……そうね。悪くないわ」
思わず笑ってしまう。
みんなが、ちゃんとここにいる。
それだけで、少し怖さが消えていく。
「……見た目だけなら、合格だな」
少し離れたところから声がした。
朔だった。
椅子に座っていたけど、ゆっくり立ち上がる。
黒の燕尾服はシンプルで無駄がなくて、すごく落ち着いて見える。
前みたいな張りつめた感じはない。
ちゃんと“今の朔”の空気になっていた。
「……朔くん。インカムは?」
「問題ない。ちゃんと聞こえてる」
軽く答えてから、少しだけこちらを見る。
「……それと、深呼吸くらいちゃんとしろ。
手、震えてるぞ」
「……!」
「紅茶、こぼされたら困るからな」
ぶっきらぼうだけど、やさしい声だった。
その一言で、不思議と心が落ち着いていく。
朔はマイクに軽く触れて、短く指示を出した。
「……嵐、前方注意。
夜一、いつでも隠れられる位置に。
レオ、空気は任せた」
そして、少しだけ間をおいて。
「……お嬢は、俺が見る。
だから、気にせず行け」
その声は静かで、でもしっかりしていた。
胸のドキドキが、すっと落ち着いていく。
「……ええ。そうね」
私はみんなを見渡して、微笑んだ。
「行くわよ。
世界で一番――めちゃくちゃで、最高に完璧なパーティーを見せてあげる!」