きみと、まるはだかの恋
ゴンドラから遠ざかっていく村の風景を眺めながら、昴はしみじみと語ってくれた。夜、完全に日が落ちて星がちらちらと瞬き始めた時分。こんなふうに大自然の中で囲まれて過ごすのは、こんなにも心安らぐことなのかと実感していた。
「良かった。昴が元気に過ごしてくれて。助けてくれるひとがいて」
不意に、本音が口からこぼれ落ちる。昴が「え?」と弾かれたように私の顔を見た。私ははっと我に返り、「今のは、その」と口籠る。二人きりの狭い空間にいることをやけに意識してしまい、恥ずかしさで顔から火が出そうだった。
「ごめん。なんか昴のこと、親目線で見ちゃってた。でも本当はね、私……」
あなたのこと、恋人として見られたらどんなにいいかって思ってる。
……なんて、口が裂けても言えない。言えるはずない。十年前に言えなかった気持ちを、今更こんなところで伝えられるはずがない。
昴は私が何かを言いたそうにしていることを察してくれているようで、「波奈?」と問いかける。が、その時ちょうどロープウェイが星見高原へと到着した。
「やっぱりここは寒いな。今日はちゃんと上着持ってきて良かった」
心の中に彼への恋情を押し込めて、持ってきたダウンコートを指差す。
「ああ、そうだな。今日は波奈がヘマしてなくて俺も良かったよ」
「む、ヘマって何よ。ど田舎の高原の気温なんて知らないわよ」
「はは、まあそうだよなー。あ、ごめん。早速準備しに行くわ。波奈も来る?」
「良かった。昴が元気に過ごしてくれて。助けてくれるひとがいて」
不意に、本音が口からこぼれ落ちる。昴が「え?」と弾かれたように私の顔を見た。私ははっと我に返り、「今のは、その」と口籠る。二人きりの狭い空間にいることをやけに意識してしまい、恥ずかしさで顔から火が出そうだった。
「ごめん。なんか昴のこと、親目線で見ちゃってた。でも本当はね、私……」
あなたのこと、恋人として見られたらどんなにいいかって思ってる。
……なんて、口が裂けても言えない。言えるはずない。十年前に言えなかった気持ちを、今更こんなところで伝えられるはずがない。
昴は私が何かを言いたそうにしていることを察してくれているようで、「波奈?」と問いかける。が、その時ちょうどロープウェイが星見高原へと到着した。
「やっぱりここは寒いな。今日はちゃんと上着持ってきて良かった」
心の中に彼への恋情を押し込めて、持ってきたダウンコートを指差す。
「ああ、そうだな。今日は波奈がヘマしてなくて俺も良かったよ」
「む、ヘマって何よ。ど田舎の高原の気温なんて知らないわよ」
「はは、まあそうだよなー。あ、ごめん。早速準備しに行くわ。波奈も来る?」