きみと、まるはだかの恋
「ねえねえ、そのノートなに?」

 恋人かどうかの話はもう飽きたのか、今度は紬ちゃんが私たちのテーブルの上に広げているノートを指差した。

「これは、『お店をつくる計画ノート』だよ」

 小学生にもなんとか分かるように説明するよう努める。

「お店? アイスクリーム屋さん? パン屋さん?」

「えっと、カフェって言って、主にご飯を食べるところかな」

 昴がやさしく諭すように伝える。

「それじゃあ、紬の家と一緒?」

「うん、そうだね。似てるかもしれない」

 喫茶店もカフェも子どもからしたらたいして違いがないような気がする。昴からお店の実態を聞いた紬ちゃんは、ぴょんぴょんと飛び跳ねた。

「いいなー! ご飯屋さんだ! じゃあさ、紬、そのお店でプラネタリウムが見たい」

「プラネタリウム……?」

 突然紬ちゃんの口から出てきた「プラネタリウム」というワードに、私は昴と顔を見合わせる。どういうことだろう、と首を捻っていると、紬ちゃんが「あのね」と恥ずかしそうに言う。
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