きみと、まるはだかの恋
 コメント欄をスクショした画面を滝川社長に見せる。

【星見里の空って東京の五倍は広く見えるっ笑 めっちゃ綺麗】
【今後の連休で遊びに行く予定を立てました。おすすめのホテルはありますか?】
【星見里に行きたいんだけど、星空ツアーの詳細が知りたいです!】
【子どもがりんご狩りが楽しそうだと言うので、今度行ってみようと思います】
【ハナさんが語る星見里がとても楽しそうで、魅力的です】

「これは……」
 
 星見里についてのたくさんの前向きな意見を目の当たりにした滝川社長が、目を瞠る。村のことを褒められて素直に嬉しいのか、自然と頬が綻んでいくのが見てとれた。

「どうですか? みんな、星見里のことをもっと知りたいと思ってるんです。でもこのコメントにある通り、近隣にホテルはあまりないですよね。きっと、観光客が増えたら旅行産業も発展すると思うんです。そうすればより多くのひとが星見里に来てくれるようになります。滝川社長が愛するこの地を、大好きになってくれる方が増えていくんですよ!」

 自分でもびっくりするぐらい星見里について熱く語ってしまい、ちょっとばかり恥ずかしい。昴が、熱弁する私を見て目を丸く膨らませる。そして、私に加勢するように「お願いします! 星見里の魅力を発信するために、Wi-Fiを設置してください!」と頭を下げた。

「やりましょうよ、滝川社長」

 横から声を上げてくれたのは重村さんだ。見れば、重村さんだけでなく、滝川工務店の職人たちも、みんなが滝川社長を見つめていた。
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