きみと、まるはだかの恋
「うわー雨でも大自然を感じられますね。晴れていたらきっと空気が美味しいんだろうなあ」
入社して二年目だというアシスタントの中井さんがきゃぴきゃぴとした声を上げる。私もつられてすうっと大きく息を吸った。
あ、確かに美味しいかも。
気温は二十九度、暑すぎるわけではないが雨のせいで蒸し暑い。それでも、肺に流れ込んでくる湿気だらけの空気にさえ、都会では感じられない自然の味がついているような心地がした。
「とりあえず今日は事前にアポとってある村長に挨拶をして、案内をしてもらう予定です。雨でも回れそうなところだけ見て解散にしよう。農作物の紹介と、美味しいごはんぐらいなら撮れそうだな。よし、じゃあ早速役場に行こう」
北村さんは、雨で重くなりがちな私たち三人の空気をどうにか盛り上げようと、努めて明るい声で今日の計画を話してくれた。よし、私も明るくいかなきゃ。インフルエンサーとして私を抜擢したことに、このひとたちが正解だと思ってくれるように。
「今日一日すごく楽しみです!」
にっこりと笑顔を浮かべると、北村さんがほっと安堵した様子でカメラを掲げる。今日は北村さんと中井さんが二人で別々のカメラを手にしている。少数精鋭の『ベストツーリズム』さんでは、みんながカメラを扱えるようにしているらしい。
入社して二年目だというアシスタントの中井さんがきゃぴきゃぴとした声を上げる。私もつられてすうっと大きく息を吸った。
あ、確かに美味しいかも。
気温は二十九度、暑すぎるわけではないが雨のせいで蒸し暑い。それでも、肺に流れ込んでくる湿気だらけの空気にさえ、都会では感じられない自然の味がついているような心地がした。
「とりあえず今日は事前にアポとってある村長に挨拶をして、案内をしてもらう予定です。雨でも回れそうなところだけ見て解散にしよう。農作物の紹介と、美味しいごはんぐらいなら撮れそうだな。よし、じゃあ早速役場に行こう」
北村さんは、雨で重くなりがちな私たち三人の空気をどうにか盛り上げようと、努めて明るい声で今日の計画を話してくれた。よし、私も明るくいかなきゃ。インフルエンサーとして私を抜擢したことに、このひとたちが正解だと思ってくれるように。
「今日一日すごく楽しみです!」
にっこりと笑顔を浮かべると、北村さんがほっと安堵した様子でカメラを掲げる。今日は北村さんと中井さんが二人で別々のカメラを手にしている。少数精鋭の『ベストツーリズム』さんでは、みんながカメラを扱えるようにしているらしい。