きみと、まるはだかの恋
***


 それから二ヶ月間は、仕入れ先の決定、メニュー決め、オペレーションの確認、と大忙しだった。
 昴も所属している地域おこし協力隊のみなさんが各農家に掛け合ってくれて、農作物を卸してもらえることになった。
 田中さん家のピーマン、村重さん家のキャベツ、戸倉さん家のじゃがいもなど、それぞれの農家から各種野菜、果物を送ってもらう。肉は精肉店で、魚は川魚中心にメニューを決めることにした。
 
「せっかくだから、メニュー名にどこの農家さんの食材を使ってるか入れない?」

「いいね、それ。メニュー名もパンチが効いてるほうがSNSでシェアしたくなりそう」

 メニューと、メニュー名を決める場面ではうんうん唸りながらも、食材の魅力が伝わるようなネーミングを昴と一緒に考えた。

“田中さん家のピーマン肉詰め定食”
“村重さん家のシャキシャキロールキャベツ定食”
“戸倉さん家のほくほく肉じゃが定食”

「ふふっ」

 実際に名前をつけてみると、作り手のぬくもりを感じられていいなと思った。その後も昴と二人で、ああでもない、こうでもない、とたくさんのメニューを考えて、実際に採用するメニューを八種類に絞り込んだ。
< 171 / 186 >

この作品をシェア

pagetop