きみと、まるはだかの恋
「よし、これでメニューは決まり! あとはメニュー表作成とPR用のチラシ、ショップカードなんかも作ろう」

「お店のことをその場でSNSに投稿してくれたら割引になるサービスも入れようよ」

「作り手の農家さんたちからメッセージを書いてもらって、店に飾ろう」

 話し合えば話し合おうほど、いかにして星見里の魅力を知ってもらえるようなカフェにするか、アイデアがどんどん出てきた。
 そして、昴と共に、お店を賑わせるための工夫をたくさん詰め込んで、とうとう開店一週間前を迎えた。

「ねえ、最後に決めなくちゃいけないことがあるよね?」

「店名だな」

 そう。カフェの店名について、実はまだ決めていなかった。看板を作ってもらう発注先は決めていて、最短三日で仕上げてくれると聞いていたので、ぎりぎりまで粘って考えていたのだ。

 お店のテーブル席に座って二人して考え込む。真新しい木材の香りにもとっくに慣れてしまったけれど、この場所にこれからたくさんのお客さんが来てくれることを考えると、胸の高鳴りは止まらなかった。

< 172 / 186 >

この作品をシェア

pagetop