きみと、まるはだかの恋
「シンプルにその、友達に再会できたのは嬉しい、だろ?」

「……うん」

 友達という二文字がこんなにも重たいなんて。まるで女子高生みたいなことを思う。とっくに過ぎ去ってしまった青春時代の自分と、今の自分を重ね合わせる。あの頃の私と今の私では何かが違うのだろう。あの頃だって、そんなに素直じゃなかった。好きなひとに好きと伝えることもできずに、昇華しきれない恋心を抱えて、何もなしえないままに、大人になってしまった。私の中身なんてなーんにも変わってないのにね。
 それでも、彼と自分の間にできた隔たりは、あの頃よりうんと大きくて分厚いものに感じられた。
 都会で暮らす私と、電波も届かない田舎で暮らす彼。
 同じ場所で生まれ育ったはずなのに、いつの間に二人の道はこうもすれ違ってしまったんだろう。

「波奈、大丈夫? なんか顔色悪いけど」

「大丈夫……」

 私が思い詰めていたからか、昴は私の顔を覗き込むようにして眉根を寄せた。その時、三上さんが「お待たせしましたぁ」と空気を読んでいるのかいないのか分からない明るい声で昴の前にコーヒーを差し出してきた。

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