きみと、まるはだかの恋
「昴って農家になったんじゃなかったの?」

「うん、農業もやってる。でもそれだけじゃなくて土日の夜は星空ツアーのツアーコンダクターをしてるんだ」

「兼業ってこと?」

「まあ、そういうことになるかな。土日だけだし、兼業してるって感じもなくて趣味でやってる程度だけど」

「いや、立派な副業じゃない。すごいね」

「ありがとう。いやでも褒められるためにやってるわけじゃないからさ。本当に好奇心で始めただけで」

「そっか。確かに昴、学生時代もよくプラネタリウムとか行ってたよね。私も一回付き合わされたことあったわ」

「ははっ、人聞きが悪いなあ。あれは、波奈のほうから一緒に行きたいって言ってきたんでしょ」

「え、そうだっけ……?」

「そうだよ。もう、忘れんなよ」

 彼にツッコまれて、記憶の波がザザンとさざなみを立てる。そうだ……確かにそうだった。昴の気持ちをなんとか射止めたい私は、昴が好きなプラネタリウムなら二人で行ってくれるかもしれないと思い、勇気を振り絞って部活の帰りに彼を誘ったのだ。結果、快くOKしてもらえて嬉しかったのを今思い出した。
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