きみと、まるはだかの恋
「ま、肝心のプラネタリウムで波奈、途中からいびきかいて寝てたけどな?」

「は……? いやいや、さすがにいびきまではかいてないって!」

「でも寝たのは事実だろ?」

「う……それは……あの時はごめんなさい」

 謝りながら、昴はよくそんな細かいことまで覚えているなとドキリとする。確かにあの時、プラネタリウムのアナウンスがあんまりゆっくりで静かだったから、すーっと眠気に誘われて気づいたらプラネタリウムが終わっていたのだった。私だって忘れかけていたことなのに。ちょっと恥ずかしい記憶を掘り起こされてしてやられた気分だ。

「で、どう? 星空ツアーは。きっとあの時のプラネタリウムみたいに眠くはならないと思うよ」

「昴がそこまで言うなら……うん、参加する」

 もうこの時点で、頭の中には帰りのバスをどうするかとか、そんな問題は忘れかけていた。お店の奥で、三上さんがにやにやと意味深な笑みを浮かべている。彼女が考えていることは聞くまでもない。

「お二人さん。お熱いところごめんなさいねえ。もうちょっとで閉店時間なのよぉ」

「あ、すみません! そろそろ立ち去ります!」

「いえいえ〜飲み終わるまではゆっくりしていっていいわよぉ」

 もう、私たちに茶々を入れるためだけに声をかけてきたような感じで、私は思わず昴と顔を見合わせて、ぷっと吹き出してしまった。
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