きみと、まるはだかの恋
「へえ、ここが昴の家? 広いね」
仕事を終えた昴と一緒に彼の家へと帰ってきた。昴の家は、ロープウェイの乗り場からまっすぐに南下した先にあった。
昔ながらの日本家屋。平屋で、外観は古い家だが内装は真新しい。
「空き家だったのをリフォームしたんだ」
「そうなんだ。東京には平屋の戸建てなんてほぼないから新鮮」
「そうだろうな。星見里では二階建てや三階建てのほうが珍しいよ。高齢の方が多いし、やっぱり階段はないほうが楽だよな。部屋はどこも空いてるから、好きなところ使って」
「うん。ありがとう」
部屋は三つあると言ったが、どの部屋も和室だった。一つぐらい洋室にすればいいものの、「雰囲気的に和室だろ?」とからから笑いながら答えた。
私は、なんとなくいちばん端っこの部屋を選ぶ。こういうとき、真ん中の部屋を選べる人間はそうそういないだろう。
「たいしたもん作れないから、カレーでもいい?」
「へ? 夕飯作ってくれるの?」
「そりゃね。泊まってくかって誘ったの俺だし。俺もお腹すいたし」
「それはそうだけど。昴、料理できるの?」
「当たり前だろ。ここではほとんど自給自足生活だぞ。自炊できなかったら生きていけねえよ」
「へ、へえ。すごいね。じゃあ、お言葉に甘えていただきます」
仕事を終えた昴と一緒に彼の家へと帰ってきた。昴の家は、ロープウェイの乗り場からまっすぐに南下した先にあった。
昔ながらの日本家屋。平屋で、外観は古い家だが内装は真新しい。
「空き家だったのをリフォームしたんだ」
「そうなんだ。東京には平屋の戸建てなんてほぼないから新鮮」
「そうだろうな。星見里では二階建てや三階建てのほうが珍しいよ。高齢の方が多いし、やっぱり階段はないほうが楽だよな。部屋はどこも空いてるから、好きなところ使って」
「うん。ありがとう」
部屋は三つあると言ったが、どの部屋も和室だった。一つぐらい洋室にすればいいものの、「雰囲気的に和室だろ?」とからから笑いながら答えた。
私は、なんとなくいちばん端っこの部屋を選ぶ。こういうとき、真ん中の部屋を選べる人間はそうそういないだろう。
「たいしたもん作れないから、カレーでもいい?」
「へ? 夕飯作ってくれるの?」
「そりゃね。泊まってくかって誘ったの俺だし。俺もお腹すいたし」
「それはそうだけど。昴、料理できるの?」
「当たり前だろ。ここではほとんど自給自足生活だぞ。自炊できなかったら生きていけねえよ」
「へ、へえ。すごいね。じゃあ、お言葉に甘えていただきます」