きみと、まるはだかの恋
「昴……」
呆気に取られたまま昴を見つめる。迷子の大人を探し当ててくれた昴は「まったく」と呆れつつも、申し訳なさそうに眉を寄せた。
「走って探したけどどこにもいないからこいつに乗ってきたんだけど、波奈、どんだけ足速いんだよ」
「ごめん」
怒る気力なんて全然なくて、私を探しに来てくれたことに心底安堵して、もう謝ることしかできなかった。
昴はかたわらに軽トラを停めると、運転席から降りて私の前にしゃがんだ。小さい子どもに話しかけるような仕草だ。実際、ふてくされて迷子になった私は子どもと一緒だろう。
「いや、俺のほうこそごめん。さっきはその……言い過ぎた。SNSで楽に稼げていいよな、なんて知ったような口利いて。波奈には波奈の苦労があるって分かってるはずなのにな」
心底申し訳なさそうに眉を下げて、私の隣にちょこんと腰掛ける。しかも、なぜか体育座りで。学校で体育の授業を見学するときみたいだ。田舎道に、大人が二人並んで地べたに座り込んでいる。側から見れば奇妙な光景だろう。でも今この場には、見渡す限り自然しかなくて、誰も私たちのことなんて見ていない。
だからこそ私は、外でみっともない姿を晒すことができているのだ。
「いや、私も……。農作業が思ったよりきつくてしんどくてうまくいかないから、効率が悪いとか、収入のこととか馬鹿にしてごめんなさい。昴の言うとおり、都会での生活に正直疲れてた……」
呆気に取られたまま昴を見つめる。迷子の大人を探し当ててくれた昴は「まったく」と呆れつつも、申し訳なさそうに眉を寄せた。
「走って探したけどどこにもいないからこいつに乗ってきたんだけど、波奈、どんだけ足速いんだよ」
「ごめん」
怒る気力なんて全然なくて、私を探しに来てくれたことに心底安堵して、もう謝ることしかできなかった。
昴はかたわらに軽トラを停めると、運転席から降りて私の前にしゃがんだ。小さい子どもに話しかけるような仕草だ。実際、ふてくされて迷子になった私は子どもと一緒だろう。
「いや、俺のほうこそごめん。さっきはその……言い過ぎた。SNSで楽に稼げていいよな、なんて知ったような口利いて。波奈には波奈の苦労があるって分かってるはずなのにな」
心底申し訳なさそうに眉を下げて、私の隣にちょこんと腰掛ける。しかも、なぜか体育座りで。学校で体育の授業を見学するときみたいだ。田舎道に、大人が二人並んで地べたに座り込んでいる。側から見れば奇妙な光景だろう。でも今この場には、見渡す限り自然しかなくて、誰も私たちのことなんて見ていない。
だからこそ私は、外でみっともない姿を晒すことができているのだ。
「いや、私も……。農作業が思ったよりきつくてしんどくてうまくいかないから、効率が悪いとか、収入のこととか馬鹿にしてごめんなさい。昴の言うとおり、都会での生活に正直疲れてた……」