きみと、まるはだかの恋
「お、降ろしてよ、恥ずかしい……!」
「降りたところで歩けないだろ。いいから家に戻るぞ」
「う〜〜」
悔しいけれど、本当に昴の言う通りだ。降ろしてもらっても自分の足で歩くことができない。たぶん、おんぶの体勢も痛くてできないから、お姫様抱っこをしてくれているのだろう。
だけど昴は恥ずかしくないの……?
私は昴に運ばれながら彼の顔を見上げた。よく見ると昴の耳が赤くなっている。それに、身体も心なしか熱い。農作業をした後だから熱がこもっているだけなのかもしれないけれど、それでもやっぱり照れ臭かった。
今度は昴の胸に頭を預ける。
心臓の音が聞こえる……。
彼の心音が聞こえるほど密着したのは初めてだ。ずっと、こんなふうにくっついてみたいと思っていた。高校時代からずっと。私の手のひらをすり抜ける彼の手に触れたかった。昴が後輩のまなかと付き合い始めてから、とても遠くなっていたこの身体が、今はすぐ近くにある。
いいのかな……。
ドキドキとうるさいほどに鳴っている私の胸が、いろんな感情で弾けそうだ。
このまま、少しでも長い時間昴に抱っこをされていたいと思うのに、昴の家はもうすぐそこにあった。
「降りたところで歩けないだろ。いいから家に戻るぞ」
「う〜〜」
悔しいけれど、本当に昴の言う通りだ。降ろしてもらっても自分の足で歩くことができない。たぶん、おんぶの体勢も痛くてできないから、お姫様抱っこをしてくれているのだろう。
だけど昴は恥ずかしくないの……?
私は昴に運ばれながら彼の顔を見上げた。よく見ると昴の耳が赤くなっている。それに、身体も心なしか熱い。農作業をした後だから熱がこもっているだけなのかもしれないけれど、それでもやっぱり照れ臭かった。
今度は昴の胸に頭を預ける。
心臓の音が聞こえる……。
彼の心音が聞こえるほど密着したのは初めてだ。ずっと、こんなふうにくっついてみたいと思っていた。高校時代からずっと。私の手のひらをすり抜ける彼の手に触れたかった。昴が後輩のまなかと付き合い始めてから、とても遠くなっていたこの身体が、今はすぐ近くにある。
いいのかな……。
ドキドキとうるさいほどに鳴っている私の胸が、いろんな感情で弾けそうだ。
このまま、少しでも長い時間昴に抱っこをされていたいと思うのに、昴の家はもうすぐそこにあった。