きみと、まるはだかの恋
「あのさ、波奈。明日また夜に星空ツアーがあるから見に来ない?」

「え? う、うん。でも先週も見たんだけど」

「この前とはまた解説も変わるから、何回来ても楽しいと思うよ」

「そこまで言うなら……行ってみようかな」

 しばらく考え込む。星空ツアーに行くということは、昴の活躍ぶりを見られるということだ。と同時に、昴のことを狙っていそうな彼女——星田さんにも会わなくちゃいけないわけで。

「どうした? やっぱり星とか興味なかった?」

「いや、そうじゃないよ。行きます」

「おう」

 私が返事をすると、昴が嬉しそうに頬を綻ばせた。その純真無垢な表情の変化が愛しくて、胸に温かい灯火がともる。
 昴が喜んでくれるなら、星田さんに会うのだって別にどうってことないように思える。第一、別に彼女だって悪いひとではないのだろうから。
 自分の中で言い訳のようなことをして、その後彼が「俺、また外戻るから。波奈はゆっくりしてて」と言って出ていくのを眺める。
 腰が治ったらまた私も農作業を手伝いに行こうと決意したのだが、その日は一日中、痛みが完全に治ることはなく、昴に言われたとおり家の中でひたすら療養に努めるのだった。
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