クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
「華子、綿谷となんかあった?」
勘が鋭い日向ちゃんにそう聞かれて、「…日向ちゃん、どうしよう…」と、力無い声をもらした。
とりあえず、お昼ご飯を食べなきゃ、ということで今日は誰もいない空き教室で食べることにした。
でも今は誰もいない環境の方が、逆にありがたい。
「かくかくしかじかで、そんなことがありまして…」
お弁当を食べながら、私は今までの出来事を、全て日向ちゃんに打ち明けた。
日向ちゃんは目をまんまるくして、こっちをぽかんと見ている。
「…綿谷が、自分から女子に関わって…しかも家にまでって…」
呪文のように、言葉を繰り返す日向ちゃん。