クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
ひとまえで目立つことは、昔も今も、私がいちばん苦手なこと。
だから、なんとしてでも今までの平和な生活を死守しなければ…!
それに、私みたいな地味な存在が綿谷くんと友達、なんて知られたら、綿谷くんの評判を下げることにも繋がりかねない。
綿谷くんと一緒にいる時間は、楽しかったけど…
でもそれ以上に、綿谷くんには迷惑をかけたくない。
だから、綿谷くんとは出来るだけ関わらない方がいいよね……
そう、心の中で決心する。
けど、そう心に誓った途端、胸の奥がきゅっと締め付けられるような感覚がして、どこか気持ちは晴れなかった。