クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!


…綿谷くんはそんなことする人じゃない、はず…


そう思わなきゃいけないはずなのに、心のどこかでは、完全に信じきれてない自分がいる。


……今まで、ずっとからかわれてたのかな…


そんな考えがちらついてしまう。


動揺を隠せない私が、相当に面白かったのだろう。


中里さんは笑い声を響かせる。


「まじ、勘違いにもほどがありすぎんだろ。ハナコ、ほんっとあんたってバカだよね」


キャハハ、と笑う中里さん。


「なあんだ、てっきり王子と付き合ってるのかと思っちゃったぁ。よかったねー、付き合ってなくて。もしあんたと王子が付き合ってたら、あんたに何してたかわかいないもん」


私はどうしていいかわからず、ずっと俯いたまま、中里さんの声を耳を傾ける。




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