クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
「……避けて、ない…です…」
ちょっとずつ敬語もやめって約束したけど、今は今まで以上によそよそしくなってしまう。
「嘘。だったら、まっすぐ俺の目見ろ」
顎に手をかけて、少し強引に顔をあげさせる綿谷くん。
こんな時なのに、胸がドキドキ鳴って仕方がない。
「…っ」
けど、そんな胸の音を消すために、私は綿谷くんの胸を押し返した。
「……華子」
「…ごめんなさい」