クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!


雨の音だけが、激しく響いている。


「……綿谷くんは、私と関わらない方がいいと思うんです」


「……は?」


綿谷くんが、驚いたように目を見開く。


私はなんとか顔を上げて、苦笑いを浮かべるように見せかける。


「綿谷くんが人気者だって知らなくて…私みたいな地味な人と友達だって知られたら、迷惑だと思うんです」


なんとか、最後まで言葉を紡ぐことができた。


綿谷くんは眉を顰めて、私をじっと見ている。


多分、今までにないくらい、怒っている気がする。


「………それ、本気で言ってんのか?」


確かめるように聞かれて、私はぎゅっと拳を握った。


「……はい」


震える声を、絞り出す。




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