クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
結局、お昼になっても私の気分は落ち込みに落ち込んで、朝から漂っていたマイナスオーラが消えることはなかった。
「華子、お昼にするぞ!ほら、中庭行こ」
「うん…」
元気いっぱいの日向ちゃんに、なんとかついていく。
…あんまり、お腹すいてないな……
外の空気を吸えば、少しは気分が変わるかもしれない。
昨日の帰りはあんなに真っ黒い雲が覆っていた空は、今日は嘘のように腫れている。
それに比べて、私は昨日からずっと曇天が続いていた。
「あ、おーい!」
日向ちゃんと中庭へ続く廊下を歩いていると、遠くから手を振った早瀬くんが、こちらに近づいてきた。
早瀬くんがいるということは、綿谷くんもいるのでは…と気まずさを感じていたのに…
なぜか、綿谷くんの姿がなかった。