クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません！！

購買で買ったパンをすごい勢いで食べる早瀬くんにびっくりしたけど、日向ちゃんは慣れているのか、いつもと変わらずにお弁当を食べている。


「で、今日は王子どうしたのよ」


「それがさ、学校来てねえんだよ。朝連絡したけど、まだ既読もついてねーし」


早瀬くんの言葉に、私は箸を止めた。


「…学校に連絡もないんですか？」


早瀬くんに聞くと、「そうそう」と頷く。


「じゃあサボり扱いじゃない。今までそんなことあったわけ？」


「ねえよ。だから心配なわけ」


「ふーん。てか、綿谷んちの親は何してんのよ」


日向ちゃんは眉を顰めて、卵焼きを放り込んだ。