クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!


「ほんと、あんな女子に興味なさそうな綿谷が華子とは話して、家にまで連れてったんだから、なんか華子だけ特別みたいよね」


早瀬くんも、何かを思い出したのか、「そういや」と口を開く。


「蓮って、坂本ちゃん前にした時だけ人間っぽくなるんだよな。いつもは表情筋皆無のくせに、坂本ちゃんとすれ違う時とか、マジで微かだけど、笑ってたし。まじ、蓮にとって、坂本ちゃんは特別で…」


早瀬くんは言葉を途中で止めて、日向ちゃんと顔を合わて、「ん?」「あれ?」と声を漏らす。


「華子だけと話して、家まで教えて…」


「坂本ちゃん見た時だけ笑う…」


「「そんで、特別みたい…」」


最後は、息ぴったりの2人が、今度は同時にこっちを見た。


…な、なんだろう…




そして、早瀬くんと日向ちゃんが、にやりと笑った。




< 134 / 174 >

この作品をシェア

pagetop